逃避行から帰ってくると、あちらこちらでスーコットの準備が始まっていた。 家のテラスにもオーレン作の立派なスーコットが出来ていた。 宗教的な大事な行事であることはしっているけど、なんだかとても楽しそうな雰囲気。 本当ならここで、1週間食事をし、夜もこの中で寝なくてはいけないらしい。 この家でそれをやるのはオーレンだけ。 運悪く、この間にイスラエルでは珍しい恵みの雨が降り、気温もぐーっとさがった。その小屋の屋根は、屋根の隙間から星がのぞけるように葉っぱを乗せたような簡単なもので、雨もバンバンはいってくるのに断固としてここに眠ることを譲らない。
ユダヤ人ではない私は、なんだか中に入ってはいけないような気がして彼にこっそり聞いてみた。”ねーねー私もこの中はいっていいのー?手伝ってもええのかい?”すると、速攻で彼がオーレンに聞いている。 すると、”僕達は、ユダヤ人であろうが、なかろうが、日本じんだろうが何人だろうが関係なく、誰でも世界中のひとをウェルカムするよ”との答え。
その夜は、皆でこの小屋の中でお祝いの食事をした。 すると、どこの家でも同じように、外のテラスに建っている小屋の中でにぎやかに食事をしている。人の話声や笑い声、音楽も聞こえてきてなんだかお祭り騒ぎだ。あーなんだか小さい頃にわくわくしながら行った縁日に来たような感覚。こういう人が暮らす音ってすごく落ち着く。
それからしばらくは、彼の友達がくるとその小屋の中でくつろぐ事になった。 ある晩、友達がきてそとのテラスでしゃべっているとここはクラブか??というほどの大音量でご機嫌な中東ミュージックが流れてくる。 どっから??と思うと真向かいのマンション屋上のペントハウスでどうやら、バミツバ(男の子が12歳になったときにするお祝い、日本でいう成人式)をやっているらしい。 気がつけばもう12時近いのに、大音量の音楽でみんな踊りまくっている。 近所もよく文句いわないなー・・・と感心するが、きっと近所も皆一緒に踊り狂ってるんでしょう・・・。
私達も、一緒になってはしゃいでみた。 あそこに乗り込んじゃわない??って冗談なのか本気なのか、本当にやりそうだぞコノヒトタチ・・・
なんだろう、やっぱりこういう雰囲気って小さい頃を思い出すからなのだろうか?
近所の生活の音がして、夕食の匂いがして、子供達の声が聞こえて。。。
だからここのテラスがこんなにも好きなのかもしれないな。